乾燥完了!
季節によって違いますが
棚で自然乾燥をはじめて約一週間で真っ白く乾きました。作っている間の粘土は粘りがあって粒子同士がひっぱりあうかのように頑丈ですがここまでカラカラにかわいてしまうと砂糖細工のようでなにかに当たるだけですぐに欠けてしまいます。

ここから先の作業は細心の注意が必要です。

この子を乾燥させている間にマイケルジャクソン氏が亡くなりました。
かなり哀しいです。はい。
2009年6月25日の朝のことです。



(作業3)成型&ウロコ貼り


2で作った大砲の弾から人魚をひねりだしてゆきます。

注)作品の中は空洞です。
粘土の塊のまま作ると焼成中に爆裂しやすくなります。

すべて手だけでつくりますが使う道具はこの竹串だけです。指の届かないところの小さな土玉をとったり髪の毛のラインを入れるときに使います。

写真下)
私は人生の大半をこのウロコ貼りに費やしている気がします。.

below)
I am pretty sure that I am spending most of my life time sticking the scales.
                     

steps to mermaid

作品が生まれるまでの工程
ここまで約2週間です。

私の作品を外国の陶器メーカーの商品に似ている・・
といってくれる人がいますがそのような
量販のものとは製法が大きく違います。

違いその1:
量販の作品は石膏の型に泥状態の粘土を流し込んで
乾いたら型からはずして作る 鋳込み方式です。
プリンを型に流しこむのと同じです。

違いその2:
メーカーの商品は
鋳型職人・絵付け職人・焼成職人・・と分業です。

人魚屋作品はどれも土練りから最後の窯出しの仕上げまですべて一人の作者の手によるものです。

その過程に 話しかけられ 愛され 願いをかけられ 太陽で乾かされて 体温を宿してゆきます。

世界にたった1つの不ぞろいの命はそうやって生まれてきます。

(作業2)大砲の弾にする
粘土は季節・湿度・など外気によって状態がさまざまです。

作りやすい粘土・まったく言う事を聞いてくれない粘土・千切れやすいねんど・・etc
でもどんな性格の粘土でも半年寝かすとバクテリアが増えて作りやすくなるような気がします。
make the canon ball



(作業1)空気ヌキ・土つくり
すべてはこの粘土をこねることから始まります.
菊練を数百回繰り返し 空気を抜いてゆきます。

everything starts from here.

長年これを繰り返し腕は丸太のようです・・・ちなみに作者は女です・・


作業5)下地を塗る


釉薬だけで作品すべてを思い通りに発色するのはとても難しいことです。そこである程度下地を作ります。たとえばこのフィンのところはピンク色を予定していますが釉薬だけでは安定した色が得られにくいのでほんのりピンク色の化粧土をぬっておきます。

顔料のつよい釉薬にはこの下地作りは必要ありません。
この段階でおおよその作品の仕上がり色のイメージをかためておくと 脳が作業手順計画を進めやすくなります。

写真手前
菊花のパレットを出すたびになんだかアート気分がもりあがってウキウキします。

筆は面相筆です。焼物の町から取り寄せています。
私は使用頻度が高いのですぐに穂先がダメになってしまい
お店の女主人にどうしてそんなに筆ばかり注文するの?と不思議がられています。

髪の毛への加飾は細かい仕事です。お顔に茶色がポトリと落ちないように注意を払ってすすめてゆきます。


作業4)自然乾燥
約2日かかって成形した作品を棚に移動して自然乾燥させます。
ここまでで
最も苦労す点は 土と水とで出来ている粘土は作っているそばからどんどんと乾燥が始まるので 後から作品の手の位置や髪の毛などの微調整が出来ないことです。

ポーズを”キメ”ながら作業を進めなければいけません。

それなら・・・・と水分の多い柔らかい粘土で作ると
粘土の重さで作品がバサリと崩れおちてしまいます。

成形は集中力と粘土の乾燥との折り合いです。

♪まだまだ続くう〜♪

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